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2014年秋期アニメ考察


 今期はあまり観てるアニメは多くないが、恒例のアニメ考察をやっていきたいと思う。



・甘城ブリリアントパーク

 主人公が近所にある廃墟寸前の遊園地を紆余曲折の末再建する事になるという物語。

 私個人としては「中二病でも恋がしたい!」以来久方ぶりの京都アニメーション作品である。

なぜハルヒ、氷菓に深く感銘を受けて京アニのいちファンとなったはずの私が、長らく京アニから離れていたか。

それは「堀口氏作画への執着」と「自社管轄内の出版作品しか原作に採用しなくなった」からである。

 推察するに、自分たちが深夜アニメの一時代を切り開いたという自信が慢心を呼び、挑戦する冒険心を失ってしまったのではないだろうか。

結果として、京アニはアニメ界をリードする存在ではなくなった。それでも身上である圧倒的作画力でコンスタントに一定以上の売り上げをあげたのはさすがではあるが。何となく、かつて市場を開拓したが、その座にあぐらをかいて今となっては他社の方が余程創造力豊かでチャレンジングになってしまっているという現状は、IT業界における現在のAppleと重なるところがあるように思う。

 さて、そんな現状となっている京アニ作品をなぜ私が観る気になったかということに話を戻そう。

それは今作品から、ずっと保守的になって同じ手法を繰り返していた京アニがそのマンネリを打ち壊そうという意志を感じたからである。

まずはキャラクターデザイン。今作品で本当に久しぶりに、京アニが堀口絵から脱却した。ハルヒ一期以来なので実に8年ぶりのことである。これだけでもこの作品に対して京アニが今までの作品とは違う意気込みをもって臨んでいることが分かる。

また最近の京アニは、社内のスタッフの女性率の増加から初の女性向け作品の制作や、男性向けであるはずなのにあまりにも(お色気的な意味で)健全すぎる刺激のない作品ばかりになっていた訳だが、一転して今回はお色気成分が割と前半から多めで、そう言う意味でも今までの京アニ作品とは違う印象を受ける。この作品の原作がやはり京アニ管轄の出版社から出ていたかは調べていないので定かではないが。

 作品の内容自体もコメディ調に振っており、ここ最近の作画力を活かした芸術性の高い本社の作品傾向を見ていた後だと、「これは本当に京アニ作品か?」と思ってしまうような出来となっている。それが良いか悪いかはさておき、京アニがやっと重い腰を上げて再び新しいスタイルの模索を始めたことが見て取れる作品として、一定の評価を与えるべきだろう。



・天体のメソッド

 突如として空の上に円盤が現れたが、それが特に何もしてこないまま平穏な日々が数年経過し、頭上に円盤があることが当たり前になっている街で主人公を取り巻く人間模様を描いた作品。

このように文字で書くと、余りにも突飛な設定過ぎて一瞬ギャグアニメなのかなどと思ってしまうがそんなことはない、真面目なアニメである。

だが、視聴を始めてから数話が経過したが、未だなおストーリーの核心が見えてこない。

また、作品の雰囲気もどことなく暗い。主人公の女の子は良い子なのだが、周りの登場人物とは勘違いやすれ違いから何かと衝突し、拒絶される。

本作には作品のマスコットというべきノエルという非常に愛らしい女の子のキャラクターが登場するのだが、正直この子の登場シーンという清涼剤がなければ、みているうちにストレスがたまって多くの人が視聴を辞めてしまうのではないかと思う。かくいう私もそのひとりである。

ただ、その話の見えてこなさ含め、1話を観た瞬間から「最後に何があるんだ」という期待感がむくむくと沸き上がり、それは毎話追うごとに大きくなってゆく。

もしかしたらこの焦らされる感じも含めて作品の演出のうちなのかもしれない。それはまだ分からない。いずれにせよこの作品の評価はラスト次第と言えるだろう。



・SHIROBAKO

 この作品は当初、主人公を中心とした高校生の女の子グループが「アニメ研究会」をつくってアニメ制作を始めるところから始まり、「あーまたよくある百合ものの日常系アニメか」と思いながら観ていた。

だがその直後突如として場面が切り替わり、主人公は一気に大人になって社会人になってしまい、まったく予想は裏切られた。

作品の演出に乗せられて一杯食わされた訳だ。ここ最近人畜無害の極地と言える百合もの日常系作品が人気を博して蔓延している今のアニメ業界を皮肉ったのかとまで勘ぐってしまうような心憎い演出である。

このアニメの実際は、アニメ制作会社を舞台としたアニメである。

内容はほぼ全てアニメ制作会社の内情で、主人公を中心として数々の制作上のトラブルなどを乗り越えながらアニメ制作を消化していく様子をただただ毎話描き続けている。

その内容はアニメらしい演出や展開は多少はあるものの、ここまでやるかというほどにリアルである。登場人物の多くも実際のアニメ業界の方々をモデルにしており、さながらアニメで描いたアニメ制作のドキュメンタリーである。

スタジオジブリのドキュメンタリーなどはNHKなどを中心にたびたび作られているので、あそこの現場の光景などは私たちも何となく知っている。だが、深夜アニメを中心に作っているようないちアニメ事務所の内情などをわざわざ取材するようなテレビ局はない。つまり描かれている世界は私たちにとって未知の世界であり、毎話毎話が勉強になる。ひとつひとつのちょっとしたセリフやシーンが今の自分の心にダイレクトに打ち響いてくる。まさに今の自分にとってはダイレクトヒットな作品であると言える。



・弱虫ペダル Grand Road

 2クール前にやっていた弱虫ペダルの二期になる。

だが1期のダイジェストなどや導入の演出などは全くなく、1話からいきなり1期の続きが始まったので、2期というよりは後半のクールが始まったという感じである。

実際のロードレースと比べた上での厳密な意味でツッコミなどは数多あるが、それをこの作品にぶつけるのはもはや野暮といえるだろう。

作品は相変わらず熱く、面白い。エンターテイメント作品として本当に高い完成度にあると言える。だからこそヒットしたといえる。

この作品のヒットにより、確実にロードレースの人気も知名度も向上してきている。実に喜ばしいことだ。

あえて大袈裟に言えばこの作品は自転車に対してあまりに無理解で配慮がなさ過ぎる日本人の意識を変えたとすら言えるかもしれない。いずれにせよ、この作品が社会的に果たした功績は計り知れない。



・ガンダム Gのレコンキスタ

 元祖機動戦士ガンダムを手がけた富野監督が手がけたガンダムの最新作である。

バンダイはUCで全てを出し切って宇宙世紀を完結させたと思っていたのだが、さらにすごい豪速球を繰り出してきた。

この作品の舞台は宇宙世紀のあと、ターン∀よりF91より後の時代だが、宇宙世紀の世界線を描いている。つまり全てのガンダムシリーズを内包する超大作ということだ。

 この作品は実に面白い。何が面白いかと言えばその演出である。

その妙に芝居がかった掴みようのないセリフの言い回しはまさに富野ガンダムのそれである。また作画も独特で、実際に手描きなのか手描き風なのかは定かではないがガサガサとした印象的な線でキャラクターが描かれている。これらの演出が合わさり、まるでかつてのガンダムシリーズを観ているかのような錯覚にとらわれる。ただただ面白い。

 あえて古くさい描き方や動かし方をしたり台詞回しをするという演出は「キルラキル」でも見られ、そしてこの作品も話題になって人気を博した。これらの演出は、かつてを知っている世代には懐かしく、知らない世代には新鮮に映るだろう。まさに幅広い層のウケを狙える必殺技のような技法である。

だが、これは言い換えれば「過去の栄光にすがっているだけ」であり、新しい挑戦ではない。またあくまで変化球でありデファクトスタンダードになることはない。

そう言う意味ではUCは本当に素晴らしかった。宇宙世紀ガンダムシリーズの続きの物語としてかつての雰囲気と演出を取り入れながらもその映像は現代のものに完全にブラッシュアップされ、新世代のガンダム、ガンダムシリーズの集大成と銘打つにふさわしい完成度であった。

そういう目で見ると「枯れた技術」にすがった本作は、エンターテイメントとしては最高に面白い作品に仕上がってはいるものの、かのUCをも内包できる器になっているかという点においては現時点ではまだ疑問符がついている状態である。

 だが、素晴らしいラストを見せてくれればこのような疑心暗鬼は完全に気鬱に終わるだろう。そしてあれだけ素晴らしいガンダムシリーズを手がけた富野監督ならそう思わせてくれるに違いない。
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テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

tag : 甘ブリ レコンキスタ SHIROBAKO 天体のメソッド 弱ペダ

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