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平成の終わりに個人的永久保存版平成アニメをダラダラ語る

 新しい元号が発表され平成が今年で終わるという中、個々人が平成という時代の中で何があったかということをそこらじゅうで語っていることが想像される。
そんな中その波に乗って自分なりに振り返れるものがないかと考えたときに、やっぱり自分はアニメというものに行き着いた。

 私はアニメ鑑賞が絵を描くこと以外では唯一無二といってもいい趣味で、休んでいた時期もあるものの、毎クール数本自分の気に入ったアニメを視聴するということをここ数年続けている。リアルタイムで放送しているアニメを見る一方で、世間の評判や人の薦めなどから過去に放送していたアニメを遅ればせながら見たりもしている。

 そんな形でアニメ視聴をしていく中で「これは」と思ったものは保存版として残しておくようにしている。
ただこの作品の選別は言うまでもなくほぼ100%自分の主観なので、自分の考え方や環境が変わったことで当時は永久保存版と見込んでいたものの月日の経過と共に思い入れがなくなってあっさり消してしまうこともある。
 そのときに名残惜しさはない。むしろちょっとでも不要だと思ったものが削ぎ落とされて自分のアニメコレクションが先鋭化されていく様には小さな達成感のような感覚がある。
それに当然アニメ視聴を続けていく限りコレクションには定期的に「新入り」が入ってくるので、そうやって定期的に見限って消していかないとキリがないという事情もある。

 ただそんな中で「これは墓場まで持っていく作品」と思っている「永久保存版」の作品がある。
この永久保存版タイトルに関しては数年に一度見返し、「やっぱりこれはいい」と悦に浸っている。
今回はこの「個人的永久保存版作品」のタイトルを紹介していこうと思っている訳だ。
 ちなみにある程度アニメに造詣がある人へ作品のプレゼンテーションをする上では監督や出演声優などの情報が重要になるだろうがあえて今回はアニメに全く興味がない人に紹介するつもりでそういった具体的な情報は省いて、自分が視聴した上での超主観的感想だけを述べていこうと思っている。ただ単に作品の情報をいちいち調べるのがめんどくさいという理由では断じてない。
そんな訳なので、これから語る情報については多々誤りがあるかもしれないが、「へぇこんな作品があるんだ」くらいの熱量で読み流して頂きたい。

「氷菓」
 さて、そんなわけで記念すべき最初の「超個人的永久保存版」作品の紹介だ。
なお紹介する作品の順番は「アニメを普段見ないような人にも入りやすいであろう順番」になっている。
 「氷菓」は米澤穂信原作の小説作品。一言で言えば「学園ミステリー」である。
主人公「折木奉太郎」は何の変哲もない怠惰な高校生だが、推理の非凡な才能を持っている。
ミステリーと言っても人が死んだりはしない。誰かを探す、何気なく貼られた張り紙に記された暗号の意味を探るといった学校内で起こる小さな謎を折木が解明していく。
 なお詳細はネタバレになるので省くが、この作品は「才能」というものがひとつのキーワードになっている。「生まれ持った才能をもっている者には、才能ない者がどんなに努力しても及ぶことはできない」といったメッセージが繰り返し提示される。
スポ根ものなどでよくある「努力すれば必ず報われる」というメッセージの対極にあるその描写の冷たさに、常日頃イラストを通して「努力では越えられない壁」というのを感じている自分は妙なリアリティを感じてしまう。
 こういう紹介の仕方をするとなんだかとても暗い話のように感じられてしまうだろうが、もちろんそんなことはない。作中には千反田えるや伊原摩耶花などのヒロインが登場し、作品に華を添えている。
何と言ってもアニメを制作しているのはアニメ界で確固たる地位を築いている京都アニメーション。
京アニの素晴らしい作画によって上記の二大ヒロインはもちろん、原作ではただのモブに過ぎなかった人物まで可愛らしく魅力的なキャラクターになっている。
原作はライトノベルではなく純文学作品で、アニメ原作としてははっきり言うと地味なので、この作品は京アニの作画力によって映像として成立していると言っても過言ではない。
緻密なシナリオと美しい映像によって青春時代の甘酸っぱい思い出に浸ることができるだろう。

「化物語」
 この作品のタイトルは見てなくても聞いたことはあるかもしれない。当時一大センセーションを巻き起こし、「魔法少女まどか☆マギカ」と並んでシャフトというアニメ会社を一躍京アニに並ぶ両雄アニメ会社にまで押し上げた作品である。
 元々の原作は西尾維新による小説作品。主人公「阿良々木暦」はとある出来事から吸血鬼と人間のハーフになってしまった高校生。メインヒロインである「戦場ヶ原ひたぎ」に出会ったことをきっかけに彼の身近な人間が次々と「怪異」と呼ばれる人間ならざる者が引き起こしていく事件に巻き込まれていく。
 この作品の魅力は何と言ってもその映像にある。CGを織り交ぜながら記号化された独特の背景を始め、旧字体を使ったテロップや、実写の写真を用いたコラージュのカットインなどが頻繁に用いられる。それらが作中に差し込まれるのはコンマ数秒であるのにもかかわらず、そのひとつひとつがキャプチャして切り出したらそのままポスターなどに用いれてしまいそうな完成度なのである。まさにこれは一つの映像芸術だ。
それらの巧みな演出によって流れている独特の空気感によって、主人公は吸血鬼で「怪異」なる者が引き起こす事件を解決するという荒唐無稽な内容をも違和感なく受け入れられてしまう。
 上で紹介した「氷菓」が正統派の攻めの究極形だとすれば、こっちは超一流の変化球と言えよう。
その毛色は全く違うが、どちらも甲乙つけがたい。
 ちなみにこの「化物語」は続き物の作品で、この後も数年ごとに続きの作品が放送され続けている。一連の作品群を総称して「物語シリーズ」と呼称されているが、個人的見解としては「化物語以外はわざわざ見る価値はない」と思っている。理由は単純、映像芸術と言ってもいいレベルなのは化物語だけだからだ。
後のシリーズを見るべきなのは続きのお話が単純に気になった人、あとは化物語を見てこの作品のノリにハマってしまった人くらいだろう。

「四畳半神話大系」
 こちらも原作は小説作品。
主人公「私」は大学1回生の冴えない青年。薔薇色のキャンパスライフを夢見てサークルに入ることを繰り返すもそこで必ず「小津」という青年と知り合い堕落していく。大学生活を棒に振ったまま二回生にまでなったところで「こんなものは自分の夢見ていた青春じゃない。もう一度やり直したい」と叫ぶ。すると1回生の入学当初まで戻り、再びサークル選びから始まるといういわゆるパラレルワールドものである。
 パラレルワールドものはアニメに限らず映像作品で幾度となく使い古されてきた設定である。
「まどマギ」などはパラレルワールドを用いた作品の最高傑作のひとつだろうし、「君の名は」もどストレートな使い方であるもののこの設定をうまくシナリオに落とし込んでいる。
 だが使い古されているがゆえに設定で新鮮味を与えることはもう今となっては難しい。アニメを長年見てきた人であればあるほど「またこれか」というところから作品に入る。視聴者を納得させられる要素はその設定を用いた必然性と物語の着地点に評価が委ねられていると言ってもいい。
しかしこれが思った以上に難しく、パラレルワールドという設定をうまく活かせていないものが大半である。
 そんな中において、この作品のパラレルワールドの用い方は秀逸である。例によってこれもネタバレになるので詳細は省くが、1クール12話という尺をこれほど有効に使った作品は他にはなかなかないのではないかと思う。
だいたいアニメというのは1~3話くらいで世界観やキャラクターなどを示すメインのストーリーをやり、中盤で物語には必ずしも必要ではない箸休めのような話をいくつか挟み、後編で大きな事件が起こってラストでこの事件を解決して終わりという大まかな流れがある。極端な話最初と最後だけ見ればその作品の概要がだいたい把握できてしまうのだ。ところがこの作品にはこの中だるみ区間がない。全ての話がラストの結末を形作るパズルのピースになっているのである。
各話では「私」の選んだサークル始め、登場人物の立場などが微妙に異なっており、それによって各キャラクターの人物像が何となく理解できつつ繰り返しの内容を飽きさせない工夫が施されている構成もよくできている。
一度見始めると「私」のまくしたてるようなナレーションに乗せられてどんどん続きが気になって一気見してしまうこと請け合いである。実写などを織り交ぜた記号的な絵柄にも注目。

「ピンポン」
  こちらも上の四畳半神話大系と同じく一度見始めると止まらないパワーを持った作品になっている。と思ったら制作会社が同じノイタミナである。アニメは会社ごとに色があって見ると何となくどこの会社の製作か分かってしまうのが面白い。
 こちらは漫画が原作で、このアニメよりもだいぶ前に実写映画化がされている。
ただあえて言うなら私はこの作品のシナリオは特段優れたものではないと思っている。
主人公は「月本誠」という卓球の卓越した才能を持ちながら勝利への執着がまったくない高校生。しかし様々な人間との出会いを通して成長しインターハイを目指していくという内容。というより、一言で言うならそれだけの内容である。
 そして作画も妙にリアルで不気味。でありながら輪郭はガタガタ、パースなども頻繁に崩れ、本編のキャプチャを切り出せば「作画崩壊」などと揶揄されてもおかしくない。
ではこの作品の魅力はどこにあるのか。それはただただカット割りと本編のテンポの良さに尽きる。
漫画のコマ割りのようなカットイン、極端な俯瞰やアオリなどを用いた構図などがテンポの良いセリフと共に矢継ぎ早に差し込まれ、あっという間に1話が終わってしまう。
ちなみに本編を見る上で卓球の知識は全く必要ないからご安心いただきたい。むしろ卓球のルールもよく分かっていないくらいの方が楽しめるかもしれない。実際私も卓球のことは1つも分からないのにこの作品を「永久保存版」にしているのである。
次々に移り変わる映像とともに卓球の専門用語が飛び交う内容に「何だかよく分からないけどこいつらはすごいことをやっている」と圧倒され、作品に引き込まれていく。
あえて詳細な説明を省くことによって視聴者を引き込んだ作品としては「シン・ゴジラ」を思い出させたが、この作品はあれともまた違う。
 とにかくこの作品の見たものを一瞬で釘付けにする馬力は他のアニメにはまずお目にかかれない。アニメ好きとそうでないとにかかわらず是非一度見て頂きたい作品である。


 「個人的永久保存版」コレクションの紹介は以上である。
保存している作品の中にはこれらには及ばないが充分名作という「準永久保存版」とでも言うべきものもあるのだが、ひとまず平成を振り返る作品としては私はこの4作品を推したいと思う。
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tag : アニメ 感想 氷菓 化物語 四畳半神話大系 ピンポン 京アニ シャフト ノイタミナ

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